リフォームして床暖房を後付けしたいと考えている方も、多いことでしょう。床暖房を設置してよかったといった意見がある一方で、後悔したという意見があるのも事実です。
メリットだけでなくデメリットも知っておけば、床暖房を後付けするかどうかの判断基準になるでしょう。
今回は、床暖房を後付けして後悔した事例と対策方法、床暖房対応フローリングリフォームの費用を紹介します。
床暖房を後付けして後悔した事例5選
はじめに、床暖房を後付けして後悔した実例を5つ紹介します。「床暖房は床だけでなく輻射熱によって部屋全体を温められる」「体の中でも冷えがちな足を温められる」などのメリットがある一方、デメリットもあります。
床暖房の後付けを検討している方は、デメリットの一例として後悔した事例を参考にしてください。
光熱費が想像以上に高かった
床暖房の熱源は電気とガスがありますが、使い方によっては他の暖房器具に比べて光熱費が高くなる場合もあります。特に、電気は2021年以降値上がりが続いています。また、ガス代も電気代ほどではありませんが値上がり傾向が続いており、請求書を確認して驚いた方もいるでしょう。
床暖房は足元が温められるメリットがある一方、輻射熱によって部屋の中がある程度温まるとしても、単体では寒さをしのぎきれない場合もあります。そのため、床暖房とエアコンを併用し、余計に光熱費がかかる可能性もあるでしょう。
また、床暖房は立ち上がりに最もエネルギーがかかるので、こまめにつけたり消したりするほど、光熱費は上がりやすくなります。
温まるまで思った以上に時間がかかる
床暖房は、温まるまでに時間がかかります。熱源や製品、床材によって多少の差はありますが最低でも45分程度はかかるので、使いたいときにすぐに温められz、メリットを感じられないケースもあるでしょう。ライフスタイルによっては、エアコンのほうが使い勝手が良い場合もあります。
床暖房を使う時間が1日に1時間未満の日が多い場合は、ホットカーペットとエアコン、ストーブの組み合わせのほうが使い勝手が良いかもしれません。
冬しか使わない
エアコンは夏冬両方使えるのに対し、床暖房は冬しか使えません。夏場の管理などは特に必要なくストーブのようにしまう手間もかかりませんが、冬しか使わないのに高い費用を払うのはもったいないと思う方もいるでしょう。
家が建っている地域によっては、床暖房が必要な時期は厳冬の1ヵ月程度といったケースもあります。設置費用と使う頻度を比べてみて、コスパに見合うかどうか検討してください。
ただし、床暖房は寿命が長いので使う期間が短くても、長い年月使えるのでお得と考えることもできます。
段差が危険
床暖房を後付けする際に直貼り工法を選択すると、元々の床と床暖房を設置した床の間に段差ができます。わずかな段差ですが、足腰が弱った高齢者や上手く歩けない子どもにとっては、危険な場合もあるでしょう。
つまずいて転んだら、けがをする恐れもあります。特に、高齢者は段差につまずいて転倒し、骨折するとそのまま寝たきりになる可能性もあります。
直貼りは既存の床の上に床暖房を設置し、新しい床を敷く工法です。工期も短く、工費も安く済むメリットがありますが、家族の年齢によっては既存の床を剥がして床暖房を敷く、張り替え工法がおすすめです。費用はかかりますが、見た目もきれいに仕上がります。
家具の買い替えが必要になった
床暖房を設置すると、重い家具や調度品の間に熱がこもる足のない家具は置けなくなります。床暖房が最初から設置されている家ならば、家具も床暖房の使用に支障がないものを揃えられるでしょう。しかし、後付けの場合は家具の買い替えが必要になる可能性があります。
お気に入りの家具がお気に入りの場所で使えなくなるのは、ストレスがたまります。また、大型家具の場合は、買い替えの費用も高くなるでしょう。床暖房を後付けする場合は、家具の設置場所を避けて配置するなど工夫が必要です。
リフォームで床暖房を後付けして後悔しない対策4つ
床暖房は足元から部屋全体を温められる便利な設備ですが、ライフスタイルや使い方によっては設置を後悔する場合もあります。ここでは、リフォームで床暖房を後付けした後に後悔しないためにできる対策を5つ紹介します。
床暖房を後付けしようか迷っている方は参考にしてください。
他の暖房器具とよく比較検討する
床暖房を設置するかどうか迷っているなら、自分の生活スタイルを考えてどの暖房器具が適しているか、比較してください。
床暖房は、時間をかけて足元を中心に部屋全体をじんわりと温めるのに適しています。したがって、手早く部屋全体を温めたい場合などには適していません。足元だけを今すぐ温めたいならばホットカーペット、部屋全体を早く温めたい場合はエアコンが適しています。寒さが厳しい地域ならば、ストーブと床暖房の併用が最適のケースもあるでしょう。
家に長時間いる日が多ければ床暖房が適しており、使う時間が短い場合は、他の暖房器具がおすすめです。
電気代・ガス代のお得なプランがないか確認する
床暖房の設置は決まったが熱源に悩んでいる場合は、契約しているガス会社、電力会社のプランを再確認してみましょう。
ガスを熱源とする床暖房を設置する場合、契約しているガス会社によってはお得なプランを利用できます。例えば、東京ガスの「暖らんぷらん」、大阪ガスの「あっためトク料金」などです。このほかのガス会社でも、お得なプランを用意しているところもあります。
電力会社は電気式床暖房を使ったからといって、お得なプランはありません。しかし、床暖房のよってエアコンを使わなくなれば、電気代を節約できる可能性があります。
ライフスタイルを改めて振り返ってみる
床暖房の後付けに迷っている場合は、ライフスタイルを改めて振り返ってみるのも効果的です。床暖房は、こまめにつけたり消したりするとランニングコストがかさむだけで、暖房効果は薄いでしょう。
一方、常に家に人がいて、じんわりと部屋を1日中温めたい場合は床暖房が最適です。 また、平日は家にいる時間は短いけれど、休日は家にいる時間が長い場合は、平日はエアコン、休日は床暖房と使い分けてもいいでしょう。
なお、ライフスタイルは数年で変わる場合もあるので、今だけでなく2~3年先はどのような生活を送っているか考えて検討してください。
迷ったらリフォーム店に相談する
自分で判断が難しい場合は、リフォーム店に相談してみましょう。当社でもご相談を承っているので、お気軽にどうぞ。実績が豊富なリフォーム店や業者ならば、いろいろな事例を見ています。なぜ、床暖房の設置を検討しているのか、どのような使い方をしたいのか、などを相談してみてください。 当社も床暖房後付けリフォームのご相談を承っています。お客様のご希望、お悩みなどをお手軽にご相談ください。最適な方法をご提案させていただきます。
床暖房対応フローリングリフォームの費用
快適な温もりと美しい空間を実現する床暖房対応フローリングリフォームですが、気になるのはその費用ですよね。実際にかかる費用は、リフォームの規模や使用する材料、そして業者によって大きく異なります。
費用に影響する要素
では、具体的にどのような要素が費用に影響するのでしょうか?いくつかの重要なポイントを見ていきましょう。
- 使用するフローリングの種類:高級感のある無垢材や、耐久性に優れた複合フローリングなど、素材によって価格は大きく変動します。安価な合板フローリングから、高価な銘木まで、選択肢は豊富です。それぞれのメリット・デメリットを理解し、予算とニーズに合った素材を選びましょう。
- リフォームの規模:リフォームする面積が大きくなればなるほど、費用は増加します。また、下地処理が必要な場合や、既存の床材の撤去に手間がかかる場合も費用に影響します。既存の床材の状態を正確に把握することが大切です。
- 業者の選定:業者によって料金体系やサービス内容が異なるため、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。相見積もりを取ることで、適正価格を把握し、無駄な費用を抑えることができます。また、アフターサービスの内容も確認しておきましょう。
- 追加工事の有無:床暖房システムの改修や、断熱材の追加など、追加工事が必要な場合もあります。リフォーム前に、現状を正確に把握し、必要な工事を見極めることが費用を抑えるポイントです。
これらの要素を考慮すると、床暖房対応フローリングリフォームの費用は、㎡あたり数千円から数万円と幅広く変動します。正確な費用を知るためには、複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討することが不可欠です。見積もりには、材料費、施工費、諸経費などが明確に記載されているかを確認しましょう。不明な点があれば、業者に丁寧に質問し、納得した上で契約することが重要です。費用だけでなく、施工内容やアフターサービスについても確認し、総合的に判断しましょう。賢く費用を抑え、理想の空間を実現するための第一歩として、綿密な計画と業者選びが成功の鍵となります。
床暖房対応フローリングリフォームの注意点
快適な空間を実現する床暖房対応フローリングリフォームですが、いくつかの注意点を理解しておくことが大切です。失敗を防ぎ、理想のリフォームを実現するためには、事前にしっかりと確認しておきましょう。
施工上の注意点
リフォーム工事は、専門的な知識と技術が必要な作業です。特に床暖房システムとの連携においては、細心の注意が必要です。安易なDIYによる施工は、システムの故障や火災といったリスクにつながる可能性もあります。
- 床暖房システムとの適合性:リフォーム前に、使用するフローリング材が床暖房システムと適合しているかを確認しましょう。床暖房に対応していない材料を使用すると、床暖房の性能が低下したり、最悪の場合、故障の原因となる可能性があります。メーカーの推奨する材料を使用することが重要です。
- 適切な施工方法:床暖房に対応した専用の接着剤や施工方法を用いる必要があります。一般的なフローリング材の施工方法とは異なる点があるので、注意が必要です。専門業者に依頼する場合は、施工方法について事前に確認し、理解しておきましょう。DIYの場合は、事前に十分な情報収集を行い、適切な手順で作業を進めることが大切です。間違った方法で施工すると、床鳴りや床材の剥がれなどの問題が発生する可能性があります。
- 下地処理の重要性:既存の床の状態によっては、下地処理が必要となる場合があります。下地処理を適切に行わないと、床暖房の効率が悪くなったり、フローリングの寿命が短くなる可能性があります。特に、古い床材や傷んでいる床材の場合は、丁寧な下地処理が重要です。
- 湿気対策:フローリング材は、湿気に弱いものが多いです。床暖房を使用する際は、適切な換気を心がける必要があります。湿気が溜まりやすい場所では、防湿対策をしっかり行うことが重要です。湿気によるカビや腐食を防ぐため、適切な換気システムの設置や、防湿シートの使用などを検討しましょう。
素材選びの注意点
床暖房対応フローリングには様々な種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。予算やライフスタイルに合わせて最適な素材を選ぶことが重要です。
- 素材の特性:無垢材、複合フローリング、シートフローリングなど、様々な素材があります。それぞれの素材の特性を理解し、床暖房との相性、耐久性、メンテナンス性などを考慮して選びましょう。無垢材は高級感がありますが、価格が高く、メンテナンスの手間もかかります。複合フローリングは、価格と耐久性のバランスが良い素材です。シートフローリングは、比較的安価で施工が容易ですが、耐久性が低い場合があります。
- 色合いやデザイン:床暖房の熱を効果的に伝えるためには、色の濃いフローリング材の方が適していると言われています。ただし、デザインとのバランスも重要です。部屋全体の雰囲気に合う色合いとデザインを選びましょう。サンプルを取り寄せて、実際に見て触って確認することをお勧めします。
- 耐久性:毎日歩く場所なので、耐久性も重要な要素です。傷つきにくく、汚れにくい素材を選ぶことが重要です。特に、ペットを飼っている家庭では、ペットの爪による傷にも注意が必要です。
これらの注意点を踏まえ、専門業者と綿密に相談しながら、最適なリフォームプランを立てましょう。そうすることで、快適で長持ちする床暖房対応フローリングを実現できます。 慎重な計画と適切な施工が、快適な住空間を創り出す鍵となります。
床暖房の後付けで後悔しないためによく検討しよう
床暖房は冷えがちな足元を温めてくれる暖房器具のため、特に冷え性の方は設置をすると暮らしやすくなるケースも多いでしょう。しかし、部屋を温めるまでに時間がかかるなどのデメリットもあります。
リフォームで床暖房の後付けして後悔しないためには、床暖房の長所・短所はもちろんのこと、自分のライフスタイルも確認しなおしてみましょう。
疑問点があったり設置に迷ったりしている場合は、当社にお気軽にご相談ください。お客様にとって最適なプランをご提案させていただきます。
Q.床暖房は一度設置すると撤去は難しいですか? A.はい。場合によっては設置するよりも高い費用がかかるケースもあります。
Q.部屋の一部だけ床暖房を設置できますか? A.はい。リビングの一部だけといった設置方法も可能です。