「子供が大きくなって個室が必要」「くつろぐ部屋が欲しい」など今の家にもう一部屋欲しい時におすすめしたいのが増築です。ただ、気になるのがかかる費用ですよね。また増築にあたって申請が必要なのか、そもそも増築が可能なのか分からないということもあります。そこで家の増築にかかる費用の相場と共に、注意したいポイントについても詳しくご紹介します。

家の増築は改築とどう違う？

今の間取りから部屋を増やしたい場合、増築をします。よく「改築」と混同されがちですが、「床面積を広げる」リフォームが増築です。改築は家を建て替えず、既存のスペースをそのまま残して間取りを変更するリフォームのことをいいます。改築には大きく分けて以下の3つの建築方法があります。

差し掛け増築

1階部分の増築に使われる建築方法で、元の壁を覆うように新しく部屋を作ることからこう呼ばれます。解体する部分が少なくて済むため、増築では多く採用されています。ただ、接する部分の壁が老朽化している場合には、補強工事をしないと雨漏りの原因となることがあり注意が必要です。

おかぐら（お神楽）増築

1階の上に載せるように増築することからこう呼ばれています。一般的には平屋に2階を増築するために行われる建築方法です。屋根部分を撤去することに加え、2階の増築部分を補強する工事も必要なので大がかりな工事となります。

取り壊し増築

屋根と壁を解体して1階と2階部分を増築するためこう呼ばれます。既存部分に接続して増築しますが、補強工事が必要なこと、増築の範囲が広いため工期が長くなります。費用もかかりますが、一度に増築が出来るため二世帯住宅にリフォームする場合によく使われる建築方法です。

家を増築したい！気になる費用の相場

家の増築にかかる費用の相場は、6畳の増築で200万円～です。1畳や1坪あたりの増築では45万円～が相場ですが、単純に広さが倍になれば費用も倍になるというわけではありません。窓の数や開閉部は広さが変わっても同じだからです。さらに木造と鉄筋では補強工事に違いがありますし、1階部分の増築よりも2階部分の増築のほうが費用は高くなります。どんな増築をするかによっても費用の相場は変わってきますので、工事箇所別の費用の相場を見ていきましょう。

部屋の増築にかかる費用の相場

リビングや居室を広げる増築の場合、1畳あたりの費用の相場は45万円～です。ただし2階部分の工事である場合は、屋根や外壁を元のものに合わせる、補強工事が必要なため費用は高くなります。また増築に合わせて元の部屋の床や壁紙のリフォームもする場合、追加費用がかかります。

敷地内に離れを設置する場合にかかる費用の相場

母屋に接する形で離れを増築する場合、費用の相場は木造で6畳だと250万円～、プレハブ造で180万円～が相場です。独立した建物にするかどうかでも費用は変わりますし、中にミニキッチンを設置したりすればその分費用がかかります。単純に部屋とするか、収納や窓、ドアをつけるかによっても費用は変わってきます。

トイレを増築する場合の費用の相場

トイレを新たに増築する場合の費用の相場は100万円～です。トイレの広さや設置するトイレのグレードによって費用が変わります。給排水工事が必要となるため、既存の水回りより離れた場所や、2階以上に設置する場合は、さらに費用がかかります。

サンルームやバルコニーを設置する費用の相場

リビングに接したサンルームや2階にバルコニーを設置する場合の費用の相場は、60万円～が相場です。費用は設置するスペースによって変わりますが、2階部分の増設の場合、屋根部分に補強工事が必要となると費用が追加でかかります。

家を増築するメリットとデメリット

部屋を増やしたい場合に対応可能な増築ですが、メリットだけでなくデメリットもあります。リフォームの前に知っておきたいメリットとデメリットについて見ていきましょう。

増築のメリット

家を壊して建て替えるよりも費用が抑えられることが増築の一番のメリットです。また住みながら工事ができるため、住み替えや仮住まいの心配をしなくて済むこともメリットといえます。また解体や立て替えには申請や手続きが必要ですが、10平方未満の増築であれば確認申請をしなくてすむこともメリットです。

増築のデメリット

増築の際、元となる家が良い状態であることが前提となります。もし基礎部分の劣化が進んでいたり、壁の強度が落ちていたりした場合、補強工事が必要となることがあります。補強工事では補えない場合は、増築自体ができない可能性もあるため、注意が必要です。また新しく増築した部分との接合部分から劣化が進むこともあります。そのため古い部分と新しい部分を調和させると共に、強度も考えた上でのリフォームをしなければなりません。また単純に床面積が増えるため、固定資産税が増えることもデメリットです。増築の範囲が広ければ、確認申請が必要なため、その分費用がかさむことも忘れないようにしましょう。

家の増築を考える前に知っておきたい注意点

家の増築は、住みながらリフォームが可能で今より広い空間で過ごせるメリットがありますが、事前に確認すべきことがいくつかあります。詳しく見ていきましょう。

増築可能かどうか建ぺい率と容積率をチェックする

今の土地に建っている家に増築する場合、土地に余裕があっても建ぺい率（土地面積に対し建てられる面積の割合）や容積率（土地面積に対する建物の延べ面積）によっては増築できる範囲が限られる可能性があります。用途地域に当てはまる場合は上限が定められているため、リフォームの前に自治体で確認が必要です。また日照や周りの環境に合わせて建物の高さに制限が設けられている土地もありますので、こちらも確認しておきましょう。

確認申請が必要かどうか確認する

床面積が増える増築では、事前の確認申請が必要になることがあります。10平方メートル以下の増築については、基本的には確認申請は必要ありません。ただ、防火・準防火地域に指定されている土地の場合は、面積にかかわらず事前申請が義務となっています。10平方メートルを超える増築の場合は、確認申請が必要となり、審査結果が出ないとリフォームに着手できません。家の築年数によっては、都市計画が変更となったために許可が下りなかったり、現行法にあわせて改修が求められたりすることもあります。増築が難しい場合には、申請せずに済む範囲内でできるリフォームも考えておくようにしましょう。

費用がかかる水回りの設備は注意が必要

増築部分にトイレや洗面所といった水回りの設備をつける場合には注意が必要です。既存の水回り設備から離れた場所に設置する場合、排水管の設置が難しいことが多いためです。今ある水回り設備の近くに設置ができるよう、計画の段階から業者と打ち合わせして確認をしておきましょう。

増築の費用が借り入れできるか確認する

住宅ローンの返済が途中なのか、終わっているかによっても金利や条件が変わってきます。金融機関によっては増築費用を住宅ローンの対象としているところもありますが、どちらにしても借入となると返済の負担が増えます。自己資金の範囲内で増築をするか、借入をするか慎重に考えるようにしましょう。

家の増築費用を抑えるための4つのポイント

増築の内容や面積によって費用がかかるため、節約するためのポイントも押さえておきましょう。

補助金や減税制度が利用できないか確認する

増築する部分が省エネ性能の高い建物である場合、国の補助金の対象となる可能性があります。また介護を目的とした増築の場合、介護保険の利用が可能な場合や、バリアフリーの工事を対象とした補助金を申請できる場合もあります。増築自体に補助金が出るわけではないので、リフォーム業者に利用ができるかどうか確認してみましょう。また、増築費用が住宅ローンの対象となった場合、住宅ローン減税の対象となる可能性があります。

複数の業者から見積もりを取るようにする

増築を依頼する業者は複数選んで、相見積もりを取るようにしましょう。施工費用だけを見るのではなく、工事後の補償や工事の提案内容も見比べることで、信用できる業者かどうか、見積もりの内容が適正であるかどうか判断する材料としても活用できます。

増築部分をなるべく増やさないようにする

必要な部分だけを見極めて、増築の範囲を広げないようにすることも費用を抑えることになります。増築する箇所が広範囲だと、工事にかかる費用や材料費に加え、確認申請や固定資産税なども増えてしまいます。必要な部分だけを増築する・1階部分を増築することで費用が抑えられます。

増築か改築か色々なリフォーム方法を考える

増築だけにこだわらず、改築や間取り変更のリフォームなど色々な方法を考えることも、費用の節約になります。家の築年数によっては、耐震工事が必要になる可能性もあり、大がかりな工事になってしまうかもしれません。リフォームの実績が豊富な業者に相談し、家の悩みを解決するために最適の方法を見つけましょう。

まとめ

「今の家にもう一部屋欲しい」「部屋を広くしたい」という希望をかなえてくれるのが増築です。ただ、増築の内容によっては思ったより費用がかかる、増築できる範囲が限られてしまうこともあります。費用を抑えながら増築をするためには、リフォーム実績のある信頼できる業者選びが大切です。エコアートではお客様のご希望に合わせたリフォームを、多数の実績から提案させていただいています。ぜひお気軽にご相談・お問い合わせください。