毎日使うキッチンは、経年で汚れが目立つようになるだけでなく、蛇口から水漏れするといった故障も起きるようになります。システムキッチンを入れ替えるリフォームでキッチンを一新することができますが、初めてのリフォームだと費用が心配ですよね。そこで、システムキッチンの取り付けにかかる費用やリフォーム前に知っておきたい疑問についても詳しくお答えします。
システムキッチンとは
システムキッチンとは、流し台や調理台、ガスコンロやIHコンロが一体になっているビルトインコンロのことです。近年では、収納や食洗機、浄水器といったオプションが多彩なシステムキッチンが増えてきています。以前はガスコンロやIHコンロを後から設置するテーブルコンロが主流でしたが、最近の新築アパートやマンションではシステムキッチンとなっているところがほとんどです。ただ、システムキッチンといっても単身者用からファミリータイプまで、大きさも機能も多彩なため、家や使う人に合わせた商品を選ぶ必要があります。
システムキッチンの取り付け費用
基本的にシステムキッチンは設置されているものと同じタイプやサイズの機器を交換することになります。その本体価格に加え、設置工事の費用が必要です。そこでどれぐらいの費用がトータルでかかるのか、取り付け費用の相場を詳しく見ていきましょう。
全体の費用相場
システムキッチンの取り付けにかかる費用の相場は、55万円~です。費用の内訳としては、キッチン本体の費用、取り付けにかかる工事費、さらに取り外した後の壁や床の内装工事の費用、不要となったキッチンや取り外した壁紙や床材の処分費用が含まれます。今使っているシステムキッチンと同じグレードを選び、大がかりな工事が必要なければ費用を安く抑えることが可能です。ただし今よりも使い勝手をよくしたい場合や、システムキッチンのグレードを上げたいと考えている場合には、費用も高くなります。
費用はキッチンのグレードや工事内容で大きく変わる
システムキッチンの取り付け費用は、グレードやタイプで大きく変わるということも覚えておきましょう。グレードは大きく分けてシンプル、ミドル、ハイの3つがあり、天板や扉の素材・デザインに差があります。システムキッチンのタイプには、以下の4つがあります。
・I型
流し台やコンロが横一列に並んだシンプルなキッチンで、壁付けで設置します。
・L型
I型に作業台を加えることで、キッチンのスペースを有効活用できるようにしたのがL型のキッチンです。I型と同じく壁付けで設置します。
・対面型キッチン
リビングやダイニング側と向かい合うように設置するのが対面型です。I型やL型のシステムキッチンを設置します。ただし前のキッチンが対面型ではない場合、内装工事や給排水の移動工事が必要となります。
・アイランド型
システムキッチンが独立した形になっているのがアイランド型です。ダイニングやリビングの中央に設置するため、内装工事や給排水工事が必要です。さらにアイランド型の場合、四方から見られるため、天板や扉にグレードの高い素材を使っていることが多く、本体価格も高めとなっています。
システムキッチンの取り付けの日数と工事内容
システムキッチンを新しく取り付ける場合に、気になるのが工事にかかる日数です。工事の内容によっては、大きな音もするため近所の方に事前に説明する必要が出てきます。そこで工事の内容別に、取り付けにかかる日数を詳しく見ていきましょう。
キッチンの交換のみ
システムキッチンの交換のみの工事の場合、かかる日数は2日~です。古いキッチンの取り外しと搬出、新しいキッチンの搬入に最低1日は必要となります。解体工事と下地工事の間はかなり大きな音が出ることに注意が必要です。給排水工事の間は水道を止める必要があるため、1~2時間水が使えなくなります。システムキッチンの大きさや設備の内容によっては工期が延びることもありますが、長くても1週間程度です。
内装工事も含めたキッチンの交換
システムキッチンの交換に加え、壁や天井、床の内装工事も行う場合、工事にかかる日数は3日~です。内装工事は工事の範囲でも工期が変わります。また古いキッチンを撤去した際、下地の状態によっては追加工事が必要になることがあります。またシステムキッチンの設置で間仕切りの撤去や移動の工事をする場合、工事に2週間近くかかることもありますので、事前の確認が必要です。
レイアウト移動も含めたキッチンの交換
壁付けのキッチンを対面型やアイランド型にするといったレイアウトを移動させる必要のある工事の場合、かかる日数は短くても半月以上です。独立しているキッチンをリビングと一体化するといった大がかりな工事をする場合は、1ヶ月以上かかることもあります。工事中の音の問題だけでなく、リビングへの出入りもできなくなることも考えておく必要があるでしょう。
システムキッチンリフォームの失敗例と対策
一体型のシステムキッチンは、日々進化しているため新しいものに交換することは多くのメリットがあります。ただ、せっかく交換したのに失敗してしまったということも少なくありません。そこでよくある失敗例と、そうならないために考えておきたい対策方法を詳しくご紹介します。
キッチンの高さが合わない
システムキッチンは高さ調整をオーダー可能な商品も多いのですが、実際に設置して使い始めてから高さが合わず使いづらく感じてしまうことがあります。最適な高さは「身長÷2」に5cmを足した数字とされているので、キッチンに立つ人に合わせた高さにするようにしましょう。できれば事前にショールームに行き、実際の商品で確認しておくと失敗がありません。
作業スペースが狭い
新しいシステムキッチンにしたらキッチンの作業スペースが少なくなってしまったという失敗もよくあります。特に最近のシステムキッチンは機能が増えており、同じ大きさであっても作業スペースが狭くなっていることがあるためです。今使っているキッチンの作業スペースが確保できるかどうか、新しいシステムキッチンでも事前に確認しておきましょう。
最新の設備を取り入れたが使わなかった
システムキッチンのオプションとして、ビルトイン食洗機やビルトインゴミ箱、浄水器や自動昇降式吊り戸棚などがあります。一方で、便利だと思って設置したのに実際には使わなかったということもよくあります。特に食洗機は容量によって思ったほど食器が洗えない、また持っている食器が食洗機で洗えないといったことも多いので、本当に設置した方がいいのかよく考えるようにしましょう。
収納スペースが足りない
システムキッチンは収納スペースもありますが、思ったほど物が入らないということもよくあります。システムキッチンの収納はキッチンで使う物を入れることを想定していますが、キッチン用品は家庭によって使う物の量が違うため、全部収納できるとは限りません。システムキッチンとは別に、収納スペースを確保しておくといいでしょう。またシステムキッチンの交換のタイミングで、持ち物の見直しをし、量を減らすことも考えてみましょう。
予定より費用が高くなった
システムキッチンを新しくしたら、古い壁紙や床材が気になって全面的にリフォームした結果、想定以上に費用がかかってしまったということも少なくありません。理想のキッチンを作りたいという希望は大切ですが、予算をオーバーしないよう優先順位をつけることをおすすめします。システムキッチンをスタンダードなものにして、床材には費用をかけるなど、できる範囲で満足のいくキッチンにすることも大切です。
システムキッチンの取り付けに関してよくある質問
システムキッチンを交換したいけれど、心配事があって踏み切れないといったことはないでしょうか。ここではリフォームに際してよくある疑問についてお答えします。
システムキッチンをリフォーム中の食事はどうすればよいのか
システムキッチンのリフォーム中は、調理ができないため他の方法を考えておく必要があります。短期間であれば外食をするという方法もありますが、スーパーやコンビニで惣菜を購入して電子レンジで温める中食もおすすめです。卓上のコンロやホットプレートを使って調理することもできますが、どの方法でも使った後の洗い物のことを考えておくようにしましょう。
DIYでシステムキッチンを取り付けたい
システムキッチンの取り付けを業者に頼むと工事費用がかかるため、DIYで取り付けをしたいと考える方もいらっしゃるかもしれません。ただ、システムキッチンは一体型となっており設置の際には排水管の接続工事やガス、電気の工事が必要となるため、専門資格が必要です。キャビネットの扉や壁紙や床材といった内装工事はDIYができますが、基本的にはシステムキッチンの取り外しと設置は専門家に依頼するのが無難です。
システムキッチンに寿命はあるのか
システムキッチンは使い方やお手入れの頻度によっても違いがありますが、15年前後が寿命とされています。ただシンクやコンロ、食洗機といった複数の設備が1つになっているため、耐用年数はそれぞれ違いがあります。ただ、故障の都度修繕や部品交換をするよりも、システムキッチンを丸ごと新しい物にしたほうがコスト的には安く済むことがほとんどです。
システムキッチンを導入して快適な生活を
システムキッチンは便利ですが、長く使い続けているうちに汚れが気になる、そろそろ寿命で故障しそうといった悩みが増えてきます。新しい設備や機能も増えており、バージョンアップさせることでよりキッチンを便利に快適に使うことが可能です。エコアートではお客様にあった快適なシステムキッチンのリフォーム案をご提案させていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。