屋根は素材によって、定期的な塗装が必要です。その一方で屋根塗装は外仕事なので、おこなうには時期を見極めなければなりません。屋根塗装に不適切な時期だと塗装の寿命が短くなったり工期が延びたりするでしょう。
今回は、屋根塗装に適切な季節とその理由、さらに屋根塗装の費用を抑える費用を紹介します。
屋根塗装ができない気象条件
屋根塗装に使用される塗料はいろいろなメーカーが製造、販売していますが、どのメーカーも下記の条件に当てはまる環境では施工を避けるよう明言しています。
- 気温5℃以下
- 湿度85~90%以上
寒冷地では、冬になると最高気温が5℃を下回る地域も珍しくないでしょう。また、雨の日は湿度が90%を超えます。したがって、冬の寒冷地や雨が何日も続く梅雨時は、屋根塗装ができないと考えましょう。
また、塗装する業者によるとあまりに気温が高すぎると「塗料が早く乾燥しすぎて作業がしにくい」という意見もあります。屋根は夏になると直射日光を浴びて、素材によっては表面温度が50℃を越えるケースも。そのような場合も塗装がしにくく、仕上がりが今ひとつになる可能性があります。
屋根塗装に適した季節・向いていない季節
屋根塗装は暑すぎる季節、寒すぎる季節のどちらも適していません。では、最適な季節はいつなのでしょうか?ここでは、屋根塗装に適した季節、向いていない季節や季節を選ぶ上での注意点を紹介します。
春と秋は塗装に最適
春(3月~5月)と秋(9月~11月)は大抵の地域が、屋根塗装に最適な季節です。春や秋は適度な気温で長雨も降りません。また、晴れの日も多いため湿度も低めです。
ただし、積雪地帯は3月終わりまで雪が残っているところもあるでしょう。屋根の上に雪が積もっていると塗装は難しいです。また、寒冷地では3月終わりまで春の重い雪が降るところもあるため、そのような地域は4月の半ばからがベストシーズンといえます。
一方、秋は台風に注意が必要です。1シーズンに必ず台風が上陸する地域は、その時期は屋根塗装を行わないほうがいいでしょう。秋になると長雨が降りやすい地域も同様です。屋根塗装のベストシーズンは10月からが一般的で、温暖な地域なら12月初めまで問題なく行なえます。寒冷地は12月の半ばから気温が下回りがちなので、11月の終わりくらいまでに屋根塗装を行いましょう。
夏と冬はあまり向いていない
夏(6月下旬~8月)と冬(12月~2月)は基本的に屋根塗装には不向きです。梅雨時は雨が多く、盛夏はゲリラ豪雨で工期が伸びがちです。また、冬は気温が低くなり、降雪がある地域は雪が降ると塗装ができません。
ただし、地域によっては梅雨時にほとんど雨が降らないところもあります。このような場所は、6月下旬~7月上旬は空気も乾燥していて問題なく作業ができます。冬は、温暖な地域なら日照時間も長く、日没時間が早く作業時間が短くなるデメリットはありますが、作業自体はスムーズに進みやすいでしょう。
このように、日本中どこでも夏と冬は屋根塗装に不向きではないため、作業を依頼する業者と相談してみてください。
屋根塗装が必要なサインとは?
屋根塗装が必要なサインには、以下のようなものがあげられます。
- 屋根塗装の色あせ
- 屋根にコケやカビが生える
- 屋根素材の破損(ひび割れなど)
- 屋根にサビが発生している
- 雨漏りの発生
屋根塗装に使われる塗料には防水や防汚などさまざまな効果がありますが、劣化してくると効果が失われ、上記のような症状が現われます。屋根の劣化は壁の劣化よりも気づきにくいため、築10年を過ぎたら定期的に屋根の状態を業者にチェックしてもらうのがおすすめです。
屋根塗装にかかる料金相場
屋根塗装に使う塗料には、フッ素塗料、樹脂塗料、無機塗料などがあります。それぞれの耐久年数や費用相場は、以下の表のとおりです。
塗料名 | 1㎡あたりの費用相場 | 耐久年数 |
シリコン塗料 | 2,000〜3,500円前後 | 10~13年 |
フッ素塗料 | 3,500〜5,000円前後 | 15~18年 |
無機塗料 | 4,500〜5,500円前後 | 20~25年 |
1㎡あたりの値段が高いほど、耐用年数も長い傾向があります。なお、業者によって取り扱っている塗料が異なるので、使いたい塗料がある場合は業者で扱っている塗料を確認のうえ、依頼するとスムーズです。
屋根塗装の費用を抑えるポイント
最後に、屋根塗装の費用を抑えるポイントを解説します。屋根塗装を行いたいが少しでも費用を抑えたいと考えている方は、参考にしてください。
外壁塗装と一緒におこなう
屋根同様、外壁も定期的な塗装が必要です。屋根塗装や外壁塗装をする際は、足場を組んで養生しなければいけません。一度に行えば足場代や養生の費用が節約できます。
新築一戸建ての場合、屋根塗装と外壁塗装の両方が同じ時期に寿命を迎えるケースもよくあります。一度にかかる費用は高めになりますが、別々に塗装を行うよりは費用が抑えられるので、外壁と屋根の同時塗装を検討してみましょう。
自社施工の業者に依頼する
屋根塗装を行う業者の中には、自社で行うところと別の業者に下請けに出すところがあります。下請けに出す業者は仲介料がかかるぶん、費用が高めです。費用を抑えたいならば、自社施工の会社に依頼しましょう。
自社施工を行っている会社は、その旨をホームページなどでアピールしているところも多いので、探すのは比較的簡単です。
相見積もりを利用する
複数の業者に見積もりを依頼する相見積もりを行うと、業者の特徴や地域の相場がわかります。また、値下げ交渉をする際の材料にもなるでしょう。
見積もりは無料の業者も多く相見積もりを推奨する業者もいるため、相見積もりは積極的に利用してください。見積もりをわかりやすく明瞭に作っている業者は、信頼がおけるところが多い傾向です。
あえて冬や夏に依頼する
夏や冬は一般的に屋根塗装には不向きですが、地域によっては春や秋とそう変わらない条件で塗装できます。春や秋は塗装のベストシーズンである分、予約も多く費用も高くなりがちです。
夏と冬なら比較的手が空いている業者があり、キャンペーンなども実施するケースもあります。少しでも費用を抑えたい場合は、夏や冬に屋根塗装ができないか業者に相談してみましょう。
相場より安すぎる業者に注意する
相見積もりをする際、他の業者より高い業者はもちろんのこと、極端に安い業者にも注意しましょう。屋根塗装を相場よりもはるかに安い金額で引き受ける業者の中には、塗料の量をあえて減らすなどして、費用を下げているところもあります。
屋根塗装に使用できる塗料の効果は、規定量を使用してこそ出るものです。規定量より少なければ寿命が短くなる恐れもあります。また、必要な費用を見積もりに含まずに安く見せかけているところもあるので、注意が必要です。相場より安い金額を提示してくる業者には、理由を尋ね、納得しなければ依頼しないようにしましょう。
屋根塗装の季節は厳密にこだわる必要はない
屋根塗装に向いている季節は春と秋ですが、それ以外の季節に行うと失敗するわけではありません。また、地域によって環境の差があるので、場所によっては夏や冬でも問題なく塗装できるところも多いです。詳しくは業者と相談のうえ、時期を決定しましょう。もし、屋根塗装を依頼する業者をお探しなら、弊社にぜひご相談ください。
Q屋根塗装が必要のない屋根素材はありますか?
A粘土瓦は塗装の必要がありませんが、破損したら取り替えが必要です。
Q屋根塗装と修理を同時に行なえますか?
Aはい。修理をおこなった後で屋根塗装を行えます。