古い家をリフォームするときに考えるのが、費用相場やデメリットなどではないでしょうか。築年数の経った古い家は、修繕箇所が多くなることで予想以上に費用がかかる場合があります。また、構造上の関係で間取りの変更ができず、希望するリフォームができない可能性もあるでしょう。
そこで、この記事では古い家をリフォームするときの費用相場と、失敗しないポイントを解説しています。あわせて、メリット・デメリットも紹介しているので、リフォームするときにはしっかり理解しておくことが大切です。
古い家をリフォームするメリット
古い家をリフォームするときには、費用が安くなるイメージをもっている人が多いのではないでしょうか。更地から建てる新築とは違い、リフォームは一から家づくりをする必要がありません。部分的なリフォームであれば、仮住まいも不要です。引越し代やその間の家賃も必要ないため、結果的に費用を抑えられます。
実は、古い家をリフォームするときのメリットは費用面だけではありません。節税につながる、各種手続きが不要など、ほかにもよいところがたくさんあります。そこで、古い家をリフォームするときのメリットをまとめました。
趣のある空間で暮らせる
古い家には、新築では感じられない雰囲気があります。ずっと住んでいるところならば、いろいろな思い出もたくさん詰まっているはず。
しかし、建て替えてしまうと、その趣は消えてしまいます。その点リフォームなら、新旧のいいとこどりが可能です。愛着のある家の雰囲気を壊さずに、快適さを求めた暮らしができるでしょう。
新築より費用が安くすむ
既存の建物をよりよくしていくリフォームは、新築より安くすむケースが多くあります。部分的な修繕が可能なため、必要なところだけを選んでリフォームできるからです。
例えば古くなったキッチンや狭いトイレなどを、今の生活スタイルに合わせてリフォームすることで、快適に暮らしていけます。新築より総費用を安くすませながらも、自分の求める暮らしができるのは、リフォームのメリットといえるでしょう。
固定資産税が上がりにくい
部分的なリフォームの場合、固定資産税は変わらないため節税対策につながります。一方、建て替えは固定資産評価額が上がることで、固定資産税も上がる可能性があるでしょう。
もちろん、固定資産評価額に影響する大規模リフォームなら、固定資産税が増えてしまいます。リフォームの規模が影響してくるため、施工会社へ事前確認しておくことが大切です。
面倒な申請や手続きがいらない
建て替えだと、新しい建物の建築確認申請や登記手続きが必要です。しかし、リフォームの場合はそういった事務手続きがいりません。
各種手続きには費用と時間がかかり、面倒だと感じる人も多いはず。その点リフォームなら、手続き申請がいらないため、煩わしい手間を省けます。
古い家をリフォームするデメリット
古い家をリフォームするときのメリットは、上記からたくさんあることがわかりました。しかし、リフォームならではのデメリットももちろんあります。デメリットな部分も理解した上で、リフォーム工事を始めましょう。
間取りの変更ができなケースがある
建物によっては間取りの変更ができず、希望のリフォームができない可能性があります。2×4工法(枠組壁工法)で建てられた住宅だと、壁で住宅を支えているため間仕切りが抜けません。
例えば、壁を抜いて広い空間にしたいと考えていたとしても、2×4工法だと構造上叶わないのです。リフォームしたら、思い通りの間取りが叶うというわけではありません。場合によっては、諦めなければならない部分が出てくることもあるでしょう。
建物を購入する前に、リフォーム会社に見てもらって、どのような間取りが可能になるか確認しておくことが大切です。
構造部分が劣化していると費用が高額になる
新築より安い費用でできるのがリフォームの良さ。しかし、建物の土台や柱などの劣化が大きいと、予想外の出費につながる場合があります。
建物の構造部分は大規模な工事が必要となるため、それだけ費用も大きくなるでしょう。長く安心して暮らすためにも、建物の構造は重要な部分です。
老朽化の度合いによっては、建て替えの方が安くなる可能性もあるので、リフォーム会社と相談する必要があります。
古い家をリフォームするときの費用相場
古い家をリフォームするときの予算は、最低でも1,000万円以上を目安として見ておくと良いでしょう。劣化の具合や取り入れる設備にもよりますが、間取りの変更や基礎部分の修繕工事が必要だと、費用はかさんでいきます。
特に、間取りの変更を含む大規模工事だと、2,000万円以上かかるケースも。工事箇所が多くなればなるほど、当然費用は高額になります。そのため、余裕をもった予算を組んでおくことが大切です。
古い家をリフォームするときに必要な工事
築年数の経った古い家をリフォームするときに、必要な工事を紹介していきます。もちろん、必ずしも工事しなければいけないというわけではありません。
しかし、住宅の性能を上げて建物の寿命を延ばすために、おこなったほうがよい工事もあります。建物の状態にもよるので、リフォーム会社と話し合って検討してみてください。
耐震補強工事
1981年6月に耐震基準が改正される前に建てられた家は、耐震性能が低く、安全性に欠けています。この「旧耐震基準」では震度5強程度の揺れでも建築物が倒壊しないという基準になっていますが、震度6以上の規定はありません。地震大国の日本において、耐震補強は必須。古い家だと、旧耐震基準で建てられている場合が多いため、耐震補強はしておいて損はないでしょう。
屋根の葺き替え工事
屋根の葺き替え工事とは、屋根材だけでなくその下にある防水シートまで撤去し、屋根を新品にする工事です。築年数の経った古い家は、雨漏りしている可能性が高いため、屋根を新しくしたほうがよいケースがあります。
また、瓦が使われている屋根だと、地震が来たときに落下の恐れもあり不安な人もいるでしょう。そんなときは、薄くて強度の高いガルバリウムに葺き替えるのも1つの手段。建物自体の寿命を延ばすためだけでなく、安全面からも葺き替え工事は重要です。
断熱工事
古い家は気密性に欠けていることが多く、断熱工事が必要になるケースも多くあります。断熱材が老朽化していたり、そもそも断熱材自体が入っていなかったりすることがあるからです。気密性が悪いと、夏は暑く冬は寒い可能性があるので、快適に暮らせません。
さらに、冷暖房の効きが悪くなることで、電気代が余分にかかることにもつながります。サッシや扉の交換だけでも断熱効果は上がるので、検討してみましょう。
電気・水道工事
住宅の性能をあげるためには、電気・水道工事は必要な工事です。古い電気配線は劣化していることが多く、漏電を引き起こすこともあります。今のライフスタイルに合わせるためには、コンセントやスイッチの増設が必要になるかもしれません。
また、水道管の劣化を放置しておくと、水漏れにつながってしまうでしょう。費用を抑えようとするあまり、劣化している箇所の修繕工事をしなければ、水漏れや漏電の修理費用がかかる可能性があります。結果的に想定外の出費となるため、あらかじめ電気・水道工事はおこなっておくのがおすすめです。
リフォームできない家はあるのか?3つの理由を紹介
実はどんな建物でもリフォームできるわけではなく、場合によってはリフォームできない家もあります。法律上の規制を受けると希望通りに施工できない可能性があるので、事前に確認が必要です。
では、どのような規制があるのか、リフォームできない建物の理由を解説していきます。
法律によって制限がかかる
リフォームによる増改築は、建築基準法を含むさまざまなルールが関係します。隣の土地や道路との距離の兼ね合いもあり、絶対的に自由にリフォームできるわけではありません。
例えば、隣の家の日当たりを邪魔していないか、建物と建物の間に空間は確保できているかといった北側斜線制限の問題。敷地を何%使えるのかという建ぺい率の関係など、リフォームするための条件が課せられます。そのため、建物の高さや広さを変える増改築のリフォームは、希望通りにいかないことがあるので注意が必要です。
間取りの変更が難しい
建物の構造・工法によっては、間取りの変更が難しい場合があります。構造上取り外せない壁や、柱を動かすことができないケースがあるからです。中でも鉄骨造などの重要なパーツの移動が難しい建材では、間取りを大きく変更するリフォームは難しいでしょう。
自由に間取りの変更ができないと、理想の家づくりができないかもしれないため、業者にあらかじめ聞いておくと安心です。
防火・準防火地域だと建設条件がある
防火地域・準防火地域に指定されていると、建物の構造や材料を燃えにくいものにするという規制がかかります。安全規定の一つで、都市計画法によって定められていることです。そのため、リフォームするときには決められた条件の中でおこなう必要があり、完全自由とはいえません。また防火・耐火性を考慮してリフォームすることで、費用がかさむ可能性もあるでしょう。
古い家をリフォームするときに失敗しないポイント
せっかくリフォームするなら、後悔したくないのは当然です。費用も安くないため、理想の家づくりが叶うように慎重に考えたいはず。
そこで、古い家をリフォームするときに失敗しないコツを紹介していきます。
目的を明確にする
なぜリフォームしたいのか、現状の不満は何なのかを明確にしておくことが大切です。目的を整理することで、どの部分をリフォームしたらいいのか、優先順位が見えてきます。
例えば、収納が少なくて不便、段差が多いため老後が心配など家族で話し合っておきましょう。改善したいところを書き出すことで、イメージ通りのリフォームができます。
リフォーム会社の情報収集をする
リフォームすることが決まれば、依頼するリフォーム会社の情報を集めます。リフォーム会社はたくさんあるため、費用や工事内容などを比較しながら最適な業者を選ばなければいけません。そのためにも見積もりは複数社からもらい、高額すぎないか、または安すぎないかの確認が大切です。
また、細かい工事内容が見積書に記載されていると、わかりやすく信頼できる業者といえます。さらに、会社のホームページや、実際に依頼した人の口コミを参考にするのもおすすめ。安心してリフォーム工事を任せられるように、業者選びは慎重におこなっていきましょう。
予算には余裕をもつ
リフォーム費用の予算は、余裕をもって組んでおく必要があります。追加工事や取り入れる設備などによって、想定外の出費になることがあるからです。
思っていたより修繕箇所が多かった、グレードのよい設備を入れることにしたなど、リフォームを始めてわかる費用もあるでしょう。理想を求めていくと、それだけ費用は増えていく可能性があるため、予算は多く見ておいて損はありません。
まとめ
古い家をリフォームすると、趣のある空間で長く快適に過ごせます。新築より費用も安くすみ、節税対策になるのもメリットです。ただし、場合によっては修繕費用がかさんだり、理想の間取りにできなかったりする可能性があるため注意しましょう。
エコアートでは内装や水回り、エクステリアなどさまざまなリフォームをおこなっています。現場の調査から一番ベストなプラン・お見積りをご提案しているので、まずは相談だけでも気軽にお問い合わせください。