新築住宅を計画する際に、どの外壁材を選んだらよいか悩みますよね。重厚感や上品さを演出したい方には、レンガの外壁がおすすめです。
この記事では、レンガの特徴やメリット・デメリットについて解説します。また代替品まで紹介するので、ぜひ参考にしてください。
レンガという素材
レンガの外壁の魅力を理解するためには、レンガ自体の特徴を理解する必要があります。ここでは、レンガについて詳しく解説しましょう。
レンガとは
レンガとは、粘土・泥・砂などを型に入れて素焼きした建築材料のことです。自然素材で作られたレンガは、耐熱性や耐火性に優れています。またレンガを素焼きする際に、乾燥や焼ムラによってデザインが形成されるので風合いある見た目が魅力的です。
レンガを外壁で使う際の方法として、レンガを積み上げる方法と張り付けるやり方があります。特に日本では、レンガを張り付ける方法がよく使われます。
レンガを使った伝統的な「ジョージアンスタイル」
レンガを使った住宅は、伝統的なジョージアンスタイルが再現できます。ジョージアンスタイルとは、18世紀ごろのイギリスで貴族を中心に好まれた伝統的な住宅スタイルのことです。ジョージアンスタイルは、スマートで華やかなイギリスらしい古典的な装飾インテリアが特徴的です。
重厚感と威厳が感じられるレンガは、ジョージアンスタイルとマッチします。上品で格式高く堂々とした外観を演出できるので、洗練された優美で繊細なデザインを演出したい方におすすめです。
レンガのメリット
レンガの魅力は、風合いのある見た目だけではありません。以下に、レンガのメリットを3つ解説します。
見た目の劣化が少ない
レンガの最大のメリットは、見た目の劣化が少ないことです。外壁は、雨風や紫外線などの影響を受けるので劣化が進みやすい箇所になります。一般的な外壁材は雨風や紫外線の影響を強く受けてしまうため、汚れや色むらなどに悩まされるようになります。
一方レンガは、雨風や紫外線に強い特徴があるため劣化が進みにくいです。汚れや色むらになりづらいので、美しい外観を長く保てます。
メンテナンスコストを低く抑えられる
メンテナンスコストを抑えられることも、レンガによる外壁のメリットの一つです。ほとんどの外壁材は定期的に塗り替えが必要となるので、メンテナンスコストがかかります。
しかしレンガは塗り替える必要がないため、メンテナンスコストをかけずに済むのです。ちなみに耐久性の高いレンガは、「50年以上メンテナンスしなくても良い」と言われています。
耐熱性・耐火性に優れる
高い耐熱性や耐火性に期待できるのも、レンガ外壁のメリットです。レンガには内側にたくさんの気泡があるため、空気の壁ができます。二重窓と同じ原理で熱が伝わりにくく、耐熱性に優れているのです。冬は室内の熱が逃げづらいので、快適な室温を保てます。
またレンガは、粘土・泥・砂などで作られているので耐火性にも優れています。ピザ窯で使われる耐火レンガを使用すれば、さらに耐火性を高めることができるでしょう。
レンガのデメリット
レンガはメリットがある一方で、リフォームに手間がかかったり、夏は室内が暑くなったりするなどのデメリットがあります。それぞれのデメリットを詳しく解説しましょう。
リフォームに手間と時間がかかる
レンガの外壁は、頑丈な作りだけにリフォームに手間と時間がかかってしまうのがデメリットです。特に下から一段一段積み上げる積み上げ工法は、レンガの隙間にモルタルを固めているため部分的な補修が難しいです。
またすべて剥がして補修する場合も、モルタルと下地が密着しているので剥がすのが困難になります。メンテナンスの必要はありませんが、補修が必要な場合は大掛かりな工事となってしまうでしょう。
夏は暑くなる可能性あり
レンガの外壁は熱が逃げにくく、冬は快適な室温を保てることがメリットです。一方で夏の時期の場合は、室温が下がりにくくなってしまいます。
レンガの外壁は、昼間に取り込んだ熱が逃げにくくなるので夜も室温が高いままになります。冬は快適に過ごせる一方で、夏は住み心地が悪くなりがちです。ほかにも、夏は室温が高くなるため注意が必要です。
耐震性はどのくらい
美しい外観やメンテナンスコストがかからないレンガは魅力的で、一度は憧れる方もいらっしゃるでしょう。しかしレンガの外壁が日本で普及しないのは、耐震性が低いためです。
レンガには高い耐久性がある一方で、レンガ自体が非常に重いです。レンガの重さを外壁全体で支える状態になってしまうため、地震の際に簡単に崩れてしまう恐れがあります。そのため地震大国の日本では、なかなかレンガの外壁が普及していないのが現状です。
ただし地震に強い工法もあるので、耐震性が気になる方はレンガの外壁の施工実績がある施工会社に相談してみましょう。
レンガの代替品
先ほどもお伝えしましたが、本物のレンガは耐震性が低いので日本で使用するにはリスクがあります。そこでおすすめしたいのが、レンガの代替品です。
レンガの代替品は、本物のレンガのような質感と見た目をしています。以下では、代替品となるレンガ調サイディングボードとレンガ調タイルを紹介します。
レンガ調サイディングボード
レンガ調サイディングボードとは、レンガのようにデザインされた建材です。レンガのような見た目だけでなく、サイディングボードの特徴を活かすことができます。
たとえばサイディングボードには、さまざまなデザインが用意されています。イギリス風なものから北欧風のものまで幅広くあるため、気に入ったデザインを見つけやすいでしょう。また品質が安定しているため、統一感のあるデザインに仕上げられます。
ただしレンガ調サイディングボードは、目地が目立ってしまうことや質感から本物のレンガとは少し違って見えます。より本物の仕上がりを求める方は、レンガ調タイルがおすすめです。
レンガ調タイル
レンガ調タイルとは、レンガの模様を施した外装材のことです。サイディングボードに比べて質が高く、本物のレンガのような見た目に仕上げることが可能です。
またタイルは石質の成分を多く含んでいるので、高度が高い素材です。つまり、耐久性の高い丈夫な外壁材だと言えます。ちなみにガラス質の高度の高い素材で作られるためタイル自体は軽く、建物に負担をかける心配がありません。より本物のレンガを再現したい方には、レンガ調タイルがおすすめです。